ミントンを代表する装飾技法である、ブルーエナメル装飾のカップ＆ソーサートリオです。 セーブルへの憧憬とロシア帝政プリカジュールや清朝景徳鎮青花などの人気からミントンでも1860年～1890年くらいまで特に力が注がれておりました。Cドレッサーも表現の手段の一つとして活用していたものです。 全体は上品にまとめ上げてあります。特に良いと思われる点は、カップもソーサーもプレートもグルっと一周配置されているジュールドットの強さ、です。一般的なアンティーク品とは明らかに違う、厚く大きく存在感を持たせた仕上げです。これが透明感のあるエナメルバンドの上に置かれることによる浮遊感というのでしょうか、軽さと重さのコントラストによる違和感によって視線が引き付けられる、心理的に隠されたこの作品の真骨頂ではないかと鑑賞いたします。こういった技法は重ねて使っていくことでその効果が倍増していきます、カップ＆ソーサーよりもトリオであることのメリットを最大限に享受できます。 もう一つ、感覚的な部分なのですが、ハンドルを手に持った時の心地よさ、が通常の品より高く感じます。おそらくエナメル保護のための最終の施釉によってやわらかな厚みが付与されていてその滑らかさ、がそのように感じさせるのだと思います。厚いのです。 ミントンのエナメルは上記の通りの期間に多く作られましたが、そのせいでニュウになってしまっているものが多いシリーズです。今回の出品物はカップのエナメルに軽く劣化が見られます。わかりづらいレベルですが金彩のスレもあります。ソーサーとプレートは良好です。 サイズ 口径6.5 高さ6.5 ソーサー14 プレート16.5